腫瘍マーカーの値が、24.9と上昇
放射線治療を受けてしばらくして痛みが和らぎ、夫自身が自分の体を動かすのが楽になってきています。車の送迎や車椅子の移動がスムーズにでき、介助している私の腰に負担がかかることも減って助かっています。
先日、2週間に一回の通院のため大学病院に行きました。今回は、3名の医師(緩和ケア医・抗がん剤点滴治療医・総合的な消化器外科の主治医)の診察です。詳しい内容は、近況報告9/21~の記事に公開しています。
夫から腰の痛みが消え足の痛みやしびれが和らいできていると報告すると、医師たちも喜んでくださいました。放射線治療が効いていると考えられるとのことです。
血液検査の結果、腫瘍マーカーの値(正常値5)が、24.9と上昇していました。主治医の説明によると、次回一月後の血液検査の結果を見て、全身のPET検査の予約をするかどうかを決めるとのことです。放射線療法の治療が終わった直後なので、しばらく様子を見る必要があるとのことです。
全身のPET検査では抗がん剤治療が効いているかどうか、また他の箇所にがん細胞の転移があった場合、どの臓器にがんがあるか分かります。
夫の場合、腫瘍マーカーの値(正常値5)が、24.9と上昇しているため、治療をしている第五腰椎以外の他の臓器に転移しているかもしれません。先回、仙骨に転移した時は、腫瘍マーカーの値が28.8に上昇しました。
他の箇所に転移していれば、新たな症状と痛みが襲ってくるでしょう。伴走者としては気になるところです。
夫は、「他の部位に転移しているかもしれないが、気にしても仕方ない」と平常心です。落ち着いている夫の姿勢にいつもながら感心してしまいます。
真夜中の料理
先回の仙骨への放射線治療後に痛みが和らいだ時は、450kmも離れた高知県の「ひろめ市場」に行きたいと言い出し、驚かされました。痛みが軽くなり、気持ちも体も軽くなったようで、元気に旅行ができました。
ところが今回は私の方から「近くの温泉に行きますか?」と誘ってみても「家にいて横になっている方がラク」という返事が返ってきます。今回の治療で痛みが和らいでいるとは言え、以前のような体力までに回復していないのだと思います。
とはいえ、まったく良い変化がなかった、というわけではありません。夫は、食欲旺盛な頃にはよく料理をしていたのですが、最近になって料理づくりを再開しました。
つい先日の真夜中も、お腹が空いたらしく珍しくスパゲッティーナポリタンを作って食べていたのです。
私が朝起きると、台所のシンクの周りにプライパンや鍋、野菜くずが所狭しと広がっていました。夫に聞いてみると、「そういえば夜中に食べたかも。」と他人事のように言うではありませんか。夫は茹でる麺の硬さや食べるタイミング、タレにこだわりがありますが、私は麺類は料理も食べるのもあまり積極的ではありません。キッチンで麺類料理はほとんどしないので、久々に見た麺類調理の後にびっくり仰天でした。
足腰がふらふらする状態で、大丈夫だったかと心配になりましたが、本人はいたって平気だったようです。私が起きているうちに料理をしてくれたら安心なのですが、どうやらこっそり料理するのも、それはそれで楽しい時間だったようです。
料理をするとなると、歩行器や杖に頼らないで自分の足で立たなけれないけません。食べたいという意欲が、一見難しそうに思える料理もできてしまうということでしょうか。この意欲があれば、気分転換を兼ねて車で旅行に行けるかもしれません。
明日のことを思い煩うな
今回も、放射線療法の効果で強い痛みから解放されて喜んでいますが、一方でこれがいつまで続くのかと考えてしまいます。痛みにむしばまれた結果、確実に体力がなくなり、食欲が落ちたことで以前に比べて10kg近く体重が落ちました。そのおかげで糖尿病が改善しているのは喜ばしいとも言えますが…。
夫のがん細胞が消えずに広がっていくことは、否定できないのがもどかしいところです。それでも、聖書では、「明日のことを思い煩うな。明日のことは明日自らが思い悩む。」(マタイ6:34)と教えてくださっています。
この聖句から、今日を精一杯過ごすことの大切さに気付かされます。今日一日のことを考えて、感謝して歩ませていただきたいと思います。
次回に続きます。