10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「映画『かづゑ的』(長島愛生園入所者):夫も鑑賞できました!」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第84回~

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2024年4月27日(土)、長島愛生園入所者を取材したドキュメンタリー映画『かづゑ的』を鑑賞してきました。

夫と私は、今年の2月27日(火)に長島愛生園内で開催された愛カフェ(※)に参加したことがあります。この愛カフェを紹介してくださった田中真美先生を通じて映画『かづゑ的』のことを知りました。愛カフェから帰宅後、メールでお知らせをいただき、かづゑさんも参加されていたことも教えていただきました。その時の写真をよく見ると確かに同じ時間、その会場にいらっしゃいます。

私たち夫婦もかづゑさんと同じ愛カフェに参加していたことが分かり、この映画はぐんと身近なものになりました。

四季折々の美しい長島愛生園の風景は、「かづゑ的」の映画をより印象的なものにしてくれています。愛生園を訪ねた時の思い出の風景が写しだされる映画は、自分自身もそこにいるような感じがしました。

映画『かづゑ的』の初日に夫も鑑賞!

この映画のことを知った時、夫は帯状疱疹にかかり、刺すような痛みで辛かった時期でした。映画に行けるまでに回復するとは思えず、私は半ばあきらめていました。ところが夫は、「こんなチャンスは逃してはいけない、監督の舞台挨拶のある初日に行きますよ。」と、行かないという選択はあり得ないという姿勢でした。

この映画は、上映される映画館が小さく、放映される期間も1週間と短いので、その期間を逃してしまうとDVDになるまで長い間待たなければなりません。しかも、監督さんが来てくださる日は初日しかありません。

そんな夫の強い思いが通じたのでしょうか、帯状疱疹も落ち着き、なんと初日に間に合いました。

ここで問題になったのは、足腰が弱っている夫を、どのようにして連れていくかです。映画館の場所が自宅からかなり遠く、パーキングも近くになく、車の送迎には無理がありそうでした。

そんな時、友人が「一緒にタクシーで映画館まで行きましょう。」と、誘ってくださり本当に助かりました。

上映は1階でありましたが、上映後のサイン会の会場は急な階段を上った2階で行われました。驚いたことに、夫も行きたいと果敢に上り始め、私はあわてて真後ろから支えて、ようやくたどり着くことができました。

監督の熊谷博子さんとナレーターの斉藤とも子さんが、気さくお話をしてくださり、購入したパンフレットにサインをしていただきました。

次の写真は、階段を下りる時に撮ったものですが、実際はもっと急に感じられます。私が前になり、友人が夫の腕を取り、ゆっくりゆっくり下りました。ようやく下りきったときには心からホッとしました。これだけ急な階段はめったに上り下りすることはありません。今回の友人のサポートにとても感謝しています。

翌朝の夫の体調

帰宅後、夫は「観に行けて、とても良かった、実際に監督の話を聞けたことも良かった!」と満足感に浸っていました。翌朝は、急な階段の上り下りが影響したのか筋肉痛で足がつってしまったようですが、チャンスを逃さなかった夫はラッキーでした。友人にも助けていただいて嬉しい映画鑑賞の時を過ごすことができました。

夫は、「2月に行った愛生園の愛カフェの一連の体験が完結したような感じがする。」と言います。また、夫は、「できるんよ、やろうと思えば。」という、かづゑさんの言葉がとても印象に残っていると言います。

病気で指や足を失い、絶望の淵に陥っても、そこから這い上がり、本を書いたり水彩画を描いたりと新しいことに挑戦し続けるかづゑさんから、多くの気付きが与えられます。購入したかづゑさんの書籍をこれからじっくり読み、さらに彼女の生き方から多くを学んでいきたいと思います。

かづゑさんのこれからの日々が穏やかなものでありますよう願っています。

 

次回に続きます。

 

【愛カフェ(※)の記事】

💛写真で記録  ~長島愛生園の旅の思い出 その1~

 💛「長島愛生園の旅の思い出 その2:新幹線とレンタカー」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第79回~

 💛写真で記録  ~長島愛生園の旅の思い出 その3:長島愛生園 歴史館~

 💛「長島愛生園の旅の思い出 その4:愛カフェでの出会い」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第80回~

 💛風化させてはいけないもの ハンセン病・長島愛生園の歴史