10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「夫の帯状疱疹:自宅で散髪」「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第86回~

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夫が帯状疱疹に罹患してから2か月経ちました。まだかゆみがあるものの、頭皮にできた湿疹の跡もだいぶ良くなり乾いてきました。そんな中、先日こんなことがありました。

突然、「バリカンセット」が自宅に届きました。頼んだ覚えがなかったので、間違いかと思い宛名を確認してみたところ、なんと夫の名前が記載されていました。

夫に聞いてみると、「髪が伸びてきたので、自分でバリカンを使って坊主頭に短くカットしたいと思ってね。」と、AMAZONでネット購入したと言うではありませんか。

「あなたが自分でカットするんですか? それは絶対無理ですよ!」と思わず大きな声を出してしまいました。

頭皮に直径約1.5cm大の帯状疱疹の湿疹の跡が3箇所ほどあります。かゆみで、掻きむしってしまい、すっかり髪の毛が抜けてしまっています。ほぼ乾いているとは言え、傷つきやすい頭皮を刺激してしまう可能性もあります。体の硬い夫が自分自身で髪の毛を切るのは、どう考えても無理があります。

どうしても髪の毛をカットして欲しいなら、通院している大学病院内の理容店を利用しましょうと夫に提案してみました。入院患者さんも多く散髪している理容店ですので、皮膚の症状を考慮して、髪の毛を短くカットしてくれるはずと思ったのです。

ところが夫は、髪の毛が気になって仕方ない様子で、すぐにでも短くしたいと主張してきました。大学病院の理容店に行くのもおっくうで、バリカンを利用すれば誰にでもできるはず、そのために買ったんだからと譲る気配がありません。

もしかしたら、私の仕事になるかもしれないと思いつつ、腰をかがめての作業となるので、腰痛再発の心配もありました。

夫の散髪

結局、私が散髪してあげることになってしまいました。35年以上前になりますが、夫の散髪をしていた時期があります。アメリカに留学していた頃のことです。その時は、ハサミとすきバサミを使い、バリカンを使ったことはありませんでした。

今回は、初めてのバリカン利用で、帯状疱疹の傷跡に触れないように気を使っての散髪でもあり、ずいぶんと緊張しました。さらに、腰をかがめすぎないように、姿勢に注意しながらの作業となりました。

説明書には、「各種のコーム(櫛)で髪の長さを調整します。左用コームと右用コームを通して洒落た髪型になります。」とあります。

夫の勧めで、まずは12mmのコーム(櫛)を使って、帯状疱疹の傷跡が無い後ろ側から始めてみました。最初はスイスイとカットできていたのですが、途中で髪が絡まってしまったのか、バリカンが動かなくなったりと上手くいきません。

そこで、自宅にあったハサミとすきバサミに切り替え、短めのスポーツ刈り風に仕上げてみました。傷跡の箇所に触れないようにカットするためには、すきバサミの方が丁寧にできたと思います。

夫は、出来上がった頭を触りながら、「思った以上の出来栄え、良かった良かった。」と満足してくれましたが、近くで見ると揃っていない部分もあります。夫は少しくせ毛があるので、全部そろっていなくても上手くごまかせます。

とはいえ、私はあくまで素人です。次回は理髪店で散髪をお願いしたいと思います。その時は、帯状疱疹もすっかり治っていることでしょう。

バリカンで坊主頭にするのなら自分でもできる、という夫の発想にはビックリさせられます。

夫の闘病生活の伴走者として様々な経験を積んできましたが、まさか、夫の散髪までするとは思ってもみませんでした。

伴走者として必要とされることならば受け入れるしかありません。これも良い経験になったかなと思いったりもします。

散髪した翌日、皮膚科の診察がありました。嬉しいことに医師から今回で帯状疱疹についての診察は終了にしましょうと言われました。まだ、少しかゆみがありますが、完全に解放されてる日も近いと思います。

 

次回に続きます。