10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「2023年を振り返って:転移による激しい痛みを経験」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第72回~

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時が経つのは早いもので、今年2023年も残りわずかとなりました。あっという間に過ぎた感じがします。

この1年を振り返ってみると、真っ先に浮かんでくるのは、今までに経験したことのない激しい痛みが夫を襲ったことです。

今までに経験したことのない激しい痛み

2020年7月、がん細胞を取り除く外科手術受けた際、医師から「ほとんどのがん細胞を摘出したが、顕微鏡レベルのがん細胞は残っている可能性があるので、再発と転移はあり得る。」との説明を受けていました。

術後2年7ヶ月たった2023年2月1日に、おそれていた再発と転移が起こりました。覚悟はしていたものの、仙骨に転移した時の痛みは想定外の激しさでした。

担当医からは、「強い痛みの原因は、仙骨にがん細胞が広がり、がん細胞が骨の中の神経を刺激したり、周囲の組織を圧迫しているからと考えられる。」との説明でした。

夫は、「転移した時の痛みがこれほど厳しいものだとは想像できなかった。」と言っています。

側にいて、夫の痛みに耐える姿を見ているだけでもハラハラ、とても緊張しました。幸い、医療用麻薬の服用によって、その場では痛みは収まったものの、痛みがなかった時の元の体には戻れないというやるせなさがあったようです。

とはいえ、少し痛みが治まった頃、夫は、「がん疼痛とはこういう痛みなのか。これも経験か。痛みを感じるということは、生きていると言うことだね。」と、冷静に分析していました。夫が訴える痛みのつよさにすっかりうろたえていた私ですが、その落ち着いた言葉に驚きつつ、励まされる思いでした。

痛みの経緯 その詳細の記事は(こちら

初めて強い痛みに襲われたのが今年2月1日のことです。その後、MRIと造影CT検査を受け、2月15日に仙骨への転移と診断されました。放射線療法や温熱療法の治療が始まったのが、強い痛みがあってから1ヶ月後の3月1日です。

新しい治療が始まるまでの間、医療用麻薬の服用によってなんとか耐えることができました。放射線療法や温熱療法の効果が表れ、痛みが和らだのが3月の末ごろからです。

痛みが和らいだことで安心しかけましたが、医師からは「がん細胞そのものが消えてなくなったわけではなく、がん腫瘍細胞が薄くなって、痛みが軽減していると考えられる。」との説明がありました。

できるだけ長くがん細胞におとなしくしていてほしいと願っていましたが、約半年後の7月31日に、再び激しい痛みに見舞われました。

その後にMRIと造影CT検査を受け、今度は仙骨のすぐ上の第五腰椎に転移していることが分かりました。担当医から、「進行が早い傾向にある。第五腰椎に放射線を当てた治療が最善と考えられる。」と言われ、夫は迷わず、放射線療法と温熱療法を受けました。

その治療の効果で、痛みが緩和している状態が続いていました。ところが12月5日の血液検査で、腫瘍マーカーの値(※)が急上昇していることが分かり、暮れもおしせまった先日、造影CT検査を受けてきました。年が明けた2024年1月4日に結果が分かります。

グラフを見てみると、激しい痛みがあるときは、骨の部位に転移しています。腫瘍マーカーの急上昇の値が、必ずしも転移を表すのではないようです。

今回もそうあって欲しいと願っていますが、どこかの部位に転移している可能性もあります。気になるところですが、幸い今現在、痛みが緩和され「0.5~1.0」とコントロールされています。痛みが和らいでいる状態で、お正月を迎えたいと願っています。

 

【注釈】腫瘍マーカーの値(※)

がん情報サービスのサイトより

腫瘍マーカー検査は、採血や採尿で検査することができ、体への負担はほとんどありません。腫瘍マーカーは、がん細胞の数や、がん細胞が作る物質の量が多くなると、値が高くなります。しかし、肝障害、腎障害、飲酒や喫煙などの生活習慣、いつも飲んでいる薬、がん以外にかかっている病気などの影響により、がんの有無とは無関係に高い値になることもあります。反対に、がんがあっても値が高くならないこともあります。
このように、腫瘍マーカーだけでがんの診断は確定できないため、多くの腫瘍マーカーは、参考になる検査の1つとして、診察や画像検査の結果などと合わせて使われます。また、全てのがんで特定の腫瘍マーカーが見つかっているわけではありません。

 

主の山に備えあり

今年2023年は、激しい痛みと向き合う年となりました。新たな闘病生活の段階に入ってしまったと言ってもいいかもしれません。

がんの闘病生活の一番辛いことは、がん疼痛だと思います。それでも今まで適切な治療のお陰もあって乗り越えてくることができました。これからも、二人三脚の闘病生活が続きます。

そんな今、次の聖句にある「主の山に備えあり(創世記22:14)」に励まされています。これから、新たな痛みがやってきたとしても、なんとか乗り越えることができると信じて、夫と共に歩んでいきたいと思います。

 

次回に続きます。