10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「がまんの温熱療法」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第41回~

ブログランキング・にほんブログ村へ

先日、抗がん剤点滴治療の後に温熱療法を受けました。

他にも、主治医や放射線科の医師、あわせて3名の医師の診察もあり、長い時間病院で過ごす日になりました。夫は、長時間の治療にもよく耐えていると思います。

温熱療法とは(温熱療法に関する説明書から この記事の写真を参照)

温熱療法を始める時に、放射線治療の医師からいただいた温熱療法の説明書の内容です。

「人の細胞は温度が(42.5°C~43°C)に上がると死滅する」という原理を利用して、がん細胞の温度を選択的に上昇させ、がんを死滅させる治療法です。放射線治療や化学療法との相性がよく、併用することでそれらの治療効果を高めることが期待できます。また温熱療法単独でもがんの進行を遅らせたり、症状を和らげたりできる場合があります。基本的に重篤な副作用は出ないとされている治療です。

夫の場合、温熱療法を続けてから、仙骨に転移した腫瘍細胞が薄くなってきているので、納得いく説明でもあります。さらに放射線治療抗がん剤治療の効果もあるので、相乗効果といえると思います。また、夫はきつい温熱療法を受ける体力がまだあることも功を奏していると言っています。

がまんの温熱療法

今回で、通算11回目の温熱療法になります。

治療が始まって間もない頃、終了後は青白い顔をして治療室から戻ってきていました。今回は顔色も良く、詳しく治療の様子を話してくれました。

一番きついのは、50分間もうつ伏せの姿勢を維持したまま動けないことだそうです。夫はストーマを付けていますが、うつ伏せの姿勢も大丈夫だそうです。

治療の途中に、スタッフが「20分経過しました」、「最後10分です」と声をかけてくれるとのこと。その声掛けに、「まだそれしか経っていないのか!?」とがっくりしつつ耐えているそうです。普段でも、うつ伏せの姿勢は圧迫感があり、長くなるときついものです。夫はよく耐えていると思います。本当にすごいことです。

さらにきついのは、アイロンを直径30cm位の円盤の形にしたような器具をお尻の仙骨部分に当てて、電磁波を流し続けるので、熱いというより痛いことだそうです。その器具とお尻の間には、クッションがあるのでやけどはしないですが。

このような状態でも、エアコンが効いているのため、流れるような汗もすぐ乾き、なんとか耐えられると言います。

体に流れる電磁波を弱くして温度を下げてもらうことも可能だそうですが、できるだけ我慢したほうが効いている感じがあるとのことで、今の温度で耐えているそうです。

夫から聞いただけではイメージが沸きにくいので、以前治療を受ける時にいただいた温熱療法の説明書を見てみました。大学病院の画像は(こちら

さらに、夫の姿勢により近い画像は(こちら)。画像ではお腹ですが、夫はお尻の部分に当てています。がん細胞が転移している仙骨が治療箇所(加湿部位)になります。

 放射線科の医師の診察

その日、温熱療法が終了してから、放射線医師の診察があり説明がありました。

放射線治療が終了(3/22が14回目の最後)してから、3か月以上経過している。痛みが少なく腫瘍マーカーの値も正常値5.0以下に抑えられているので、放射線治療の効果があると考えられる。合わせて温熱療法が功を奏していると考えられる。

・できるだけこの状態が長く続くように、経過観察を行いながら治療を進める。

夫の場合、仙骨に転移しているので、その部位に放射線を当てることが難しく、放射線治療の効果が出にくい傾向にあるとのことです。

夫は、これからも体力的にきついけれども、継続して治療を受けたいと医師に伝えました。また、確実に温熱療法が効いているかどうかわからないが、少しでも効果があるならば続ける価値は十分あると言います。

試練を耐え忍ぶ人は幸いです

次の写真は、夫を待っている時に撮った写真です。夫がお世話になっている大学病院が、青空の隙間から見えます。美しい青空が広がっている遠くの景色も、周りの緑が一層引き立たせてくれているように感じます。

試練を耐え忍ぶ人は幸いです。その人は適格者と認められ、神を愛する人々に約束された命の冠をいただくからです。ヤコブ1:12

この世で生活している間は、時には大きな試練や困りごと、自分ではどうにもならないことに直面することがあります。その時、聖句にあるように「試練を耐え忍ぶ人は幸いです」と思えるかどうか大きな挑戦です。

この聖句は、ちょうど夫が抗がん剤治療と温熱療法の長時間の治療を受ける日に、デイリーブレッドから示された「今日の聖句」でした。

夫はきつい治療も、自分の体で実験しているような感覚であり、経験できることはむしろラッキーなことだと言い切っています。悪性リンパ腫の基礎研究に長年従事した科学者ならではの言葉でしょうか。

この夫の姿勢から学ばされます。「約束された命の冠」とは、耐え抜いた向こう側にある主にある「希望」なのではないでしょうか。

次回に続きます。