10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「実に、したたかながん細胞」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第45回~

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先日、大学病院で消化器外科医(総合的な主治医であり、外科手術を執刀)と緩和ケア医を受診しました。

車椅子姿にビックリ??

痛みが増したことと、身体機能が落ちたように感じたことから、夫と相談して病院では車椅子をお借りしました。しんどさを少しでも和らげられたらと思っての選択でしたが、医師たちは夫の突然の車椅子姿に驚かれたようでした。

医師たちが想像していた以上に、身体機能が落ちていると思われたのかもしれません。消化器外科では、車椅子で診察室に入った姿に驚かれたようで、患者用の椅子を脇に移動して夫のスペースを開けてくださいました。

 MRI検査と造影CT検査の結果

最初に、消化器外科医を受診しました。

机上のパソコンに表示されたMRI画像と造影CT画像を見て、夫はやはりがんが進展しているなと思ったそうです。

車椅子姿に少々驚いた様子ではありましたが、先生はいつものように「具合はいかがですか?」と問いかけてくださいました。

夫は「今までにない痛みが左側にきて、がんが広がっているかもしれないと思っています。痛みは、オキノームとオキシコンチンを飲むと軽くなります。」と現状を短く説明しました。

簡潔なやり取りの後、先生からMRI画像と造影CT画像を見ながら説明がありました。

仙骨のがん細胞が、第五腰椎まで広がっている。強い痛みはこれが原因と考えられる。
・治療の効果でがん細胞が薄くなり痛みが抑えられていたが、ここにきてその効果が薄れてたのでしょう。
・今後は、抗がん剤点滴の薬剤を変えて、放射線療法を試してみることも考えられる。担当の医師たちと相談して治療方針を決める。
・一週間後、それぞれの医師から詳しい説明を受けて治療を受けてください。
・痛みの対処のために、緩和ケア医の指示に従って薬を飲むようにしてください。

夫は、「先生方が選んでくださった治療が最善の治療だと信頼していますので、おっしゃる通りにお願いします。」と冷静に答えていました。

仙骨に巣食っていた夫のがん細胞は、第五腰椎まで勢力を拡大して強い痛みをもたらしているようです。痛みが和らいでいた時も、がん細胞はゆっくりゆっくり増殖していたのでしょうか。がん細胞は実にしたたかです。

消化器外科医はいつも穏やかに話される先生ですが、今日はいっそう丁寧に説明してくださったように感じます。たくさんのがん患者を診てこられた気遣いのある医師だと思います。有難いことです。

がん疼痛医療用麻薬の調整

次に、緩和ケアセンターの医師(医療用麻薬の量をコントロール)の診察を受けました。部屋には薬剤師と看護師もいてくださり、話しやすい雰囲気があります。

骨に転移している夫の痛みを和らげるには、医療用麻薬は欠かせません。その量も医師の指示を守ることが非常に重要になります。

今回は特に痛みが突然強まった一週間前に薬の量が大幅に増えたこともあり、服用した量と痛みの具合を数字化した次のようなエクセルの表を作成し報告しました。看護師から、分かり易くデータの管理がされていて、とても良いと好評でした。飲み過ぎを防ぐためにもエクセルの表作りは継続していきたいと思います。

緩和ケア医師の説明:
・医療用麻薬の「オキシコンチン」と「オキノーム散」の量は、調整して痛みに対処していくように。鎮痛剤として、「カロナール」「ロキソニン」「ムコスタ」を続けて処方。
・「オキシコンチン」は、1回40mgを3錠(計120mg)を1日2回。
・「オキノーム散」は、1回5mgを6包(計30mg)を痛むときに飲む。間隔は1時間空けること。
・治療の選択肢として、神経根ロック注射も考えられる。

処方された今回の「オキシコンチン」と「オキノーム散」の量は、報告したエクセルの表に基づいて計算をしてくださいました。

 

樋野興夫先生の本「聖書とがん」から

知らんぷりしながら時々横目で相手を見て、行く手を遮るように進めばいい

患者さんにとってがん細胞と闘うことは共存するということになります。

そのために必要なことは「競争」ではなく「並走」するというイメージでがんと生活をすることです。

それもがん細胞のペースに合わせて進むのではなくなるべく、こちらのペースで歩くように、知らんぷりしながら時々横目で相手を見て、行く手を遮るように進めばいいのです。

写真は、当日屋上の駐車場から撮った雲の様子です。この雲を見ながら、樋野先生の文章を思い浮かべていました。夫は、淡々と現状を受け止めています。伴走者としてもがんを俯瞰的に見つめ、夫と共に闘病生活を送っていきたいと思います。

 

次回に続きます。