10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

見ているのとやるのでは大違いの車椅子介助 ~10歳のマリアのつぶやきno.10~

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ここ数回、夫と大学病院に出かる時は、病院で車椅子をお借りしています。足に痛みとしびれ、疲れやすさが増したことで、体力的に車椅子のほうが移動しやすいと感じたためです。夫も病院内で移動が楽になったと喜んでいます。

以前、家族で水族館や動物園に行った時も現地の車椅子をお借りしているので、夫が車椅子を利用すること自体はまったく初めてのことではありません。ただ、その時は息子が車椅子を押して介助してくれました。

院内では初めての車椅子介助、しかも車椅子介助未経験の私が押すことになります。いろいろと心の準備をしていたのですが、実際操作をしてみると、考えていたのとやるのでは大違いでした。

初日、車椅子の操作が分からなくて焦ったこと

いざ、自分が車椅子の介助者となると、分からないことや勝手が違うことに出会います。病院で初めて車椅子をお借りした日は、特に大変でした。

家から大学病院に出発する前に、夫としっかり打ち合わせをしました。

まず、病院の玄関に車を横付けして、玄関の外側にある車椅子(無料)を借り、夫は車椅子に座って待つ。私は駐車し、その後すぐに夫のいる玄関に戻り、受付に移動する。

頭の中では、スイスイ移動できていました。ところが、最初から想定外の事態が起き、困ってしまいました。簡単にできると思っていたのに、車椅子の広げ方や、ブレーキの解除方法が分からないのです。結局、1階のロビーの受付の方に来ていただいて、操作することができホッとしました。

エレベーターの乗り降り

エレベーターに乗る時は、介助者が後ろ向きになって先に乗るか、そのまま押して夫が先に乗るかの判断に迷いました。安全面を考えると介助者が先のような気がしました。とりあえず私が先に乗ったのですが、後でネット検索してみたところ正解だったようです。

初日は、エレベーターに次から次へ乗ってこられて、ほぼ満員状態でした。私は、夫が乗る車椅子のうしろの隅に立ちました。車椅子はどうしても場所を取ってしまうので、申し訳ないような気持ちで一杯でした。

気遣いの連続

病院内の廊下や待合室は広々としているので、車椅子でも他の方にぶつかるようなことないと思います。とは言え、周りに気を配る必要があります。

車椅子を止めておく位置の判断が難しい場合があります。できるだけ他の方の迷惑にならない場所を探すのですが、混んでいるときなどは適切な場所が見当たらないことが多く、困ります。特に夫を残して私一人で行動する時、車椅子を止める位置には非常に気を使います。

介助者の体力

病院で何度か車椅子をお借りし、だいぶ慣れてきたような気がしますが、操作への慣れと共に、腰に疲労感を感じるようになりました。

車椅子を押す場合は、若干腰をかがめることになります。ヘルニア持ちの私は気を付けないと腰痛の再発にもなってしまいます。夫の体重は63kgですから、荷物も含めると65kg以上になると思います。止めてある車椅子を押し始める時は、特に腰に負担がかかります。

また、夫は車椅子に座っているため、私が用事を済ませたほうが早いので、夫が動けた時と比べて私が動き回る量が格段に増えました。車椅子を利用する以前と比べて、倍以上の労力が必要な気がしています。

車椅子介助のための体力の維持と増進のために、毎朝の散歩は欠かせません。さらにちょっとした筋力トレーニングも加えようかと思っています。

最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。

この聖句は、マタイ25:40の最後の方です。

すると、王は彼らに答えて言います。『まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。』

夫は、仙骨のがん細胞が第五腰椎まで広がったことについて、「これががんというものだ。」と、淡々にと受け止めています。患者である夫本人が冷静でいてくれるおかげで、伴走者の私も特に動揺せずにいられます。

夫の痛みやしびれが増したことで、介護する時間や頻度が増えてきました。夫は、いつも「ありがとう」と口に出して労をねぎらってくれます。

聖句にあるように、夫にしてあげることのその先にイエス・キリストの見守りがあることを信じ、これからも歩ませていただきたいと思います。