10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「突然の強い痛み」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第78回~

直腸がんの外科手術を受けてから3年8ヶ月が過ぎようとしています。このところ、痛みが和らいでいる日が多く、自宅では杖なしで移動できるようになっています。仙骨や第五腰椎への転移があり強い痛みを経験しましたが、その都度、放射線療法や抗がん剤治療、がん疼痛麻薬の服用など様々な医療的サポートを受け、なんとか日常の生活が送れています。

とは言え、骨に転移したがん細胞が消えることはありません。時にはがん細胞が猛威を振るうことを痛感した出来事もありました。

突然の強い痛み

つい先日の朝のことです。夫の「痛い、痛い」という声で目が覚めました。急いで夫のベッドに駆け付けたところ、今までに痛みがなかった腰の部分に強い痛みがあるというではありませんか。昨夜は、いつもより痛みが強く、なかなか眠れなかったと言います。

がん疼痛麻薬を服用してもらい、痛むところをマッサージしてあげたところ、少し痛みが収まったようです。その後、湯たんぽを使って体を温めると、昨夜の疲れもあったようで、ぐっすり眠ってくれました。

がん疼痛麻薬の服用回数をいつもより増やしたり、痛む腰をマッサージしたりと対処したところ、次の日には痛みをほとんど感じないほどまでに落ち着きました。

痛みに苦しんでいる最中は、夫も私も、昨年の第五腰椎に転移した時のことが頭をよぎりました。がん細胞がさらに広がったのであれば、再度放射線療法を受けなければならないかもしれないと焦りました。幸い、強い痛みを感じた日から数日たった現在、強い痛みはありません。夫も「あの強い痛みは、何だったんだろう?」と不思議に思っているようです。

2週間に一回の通院

腰の痛みを感じてから5日後には、定期的な通院の日がありました。この日は糖尿病科の受診や抗がん剤の点滴治療など、4つの科を受診しました。朝8時半に病院に到着し、会計を済ませて薬を受け取り、すべてが終わったのは12時半を過ぎていたように思います。4時間もの長時間、病院に滞在しましたが、夫は意外と疲れを残していないように感じました。

治療のために血液検査のデータが非常に重要ですが、今回はすべての数値が良好な結果であったため、夫の様子も軽やかに見えました。

その結果の詳細記事は(こちら

腰の痛みが消えたことに本当に驚いています。3月の終わりに造影CT検査を受ける予定なので、もしかしたら、その中で痛みの原因が見つかるかもしれません。

とはいえ骨に転移しているので、いつ強い痛みがやってくるか分からないというのは気がかりです。その時はその時でなんとか対処しながら乗り切っていきたいと思います。

次回に続きます。

 

 

近況報告 2024/2/11(日)~2/20(火)

その日の気づき等

2024年
※がん疼痛医療用麻薬「オキシコンチン(徐放性の錠剤)」と「オキノーム散(速放性の粉薬)」は同じ成分の薬。通常はオキシコンチン錠を1日2回服用しながら、突発痛が襲った際には、オキシノーム散をレスキュー投与するといった具合に使い分けます。1日の飲んだ全体の量を数値に表し、痛み具合を記録することにします。

2/10    (土)    痛み 0.5~1.5  360 mg

2/11    (日)    痛み 0.5~1.5  330 mg

2/12    (月)    痛み 0.5~1.5  300 mg

2/13    (火)    痛み 0.5~1.5  360 mg

2/14    (水)    痛み 0.5~1.5  330 mg

2/15    (木)    腰に痛み 1.5~3.0  450 mg

※昨夜から、腰の痛みのために熟睡できなかった。朝、強いがん疼痛が腰の右側あった。

2/16    (金)    腰に痛み 1.5~3.0  390 mg

2/17    (土)    痛み 0.5~1.0  360 mg

2/18    (日)    痛み 0.5~1.0  420 mg

2/19    (月)    痛み 0.5~1.0  450 mg

2/20    (火)    痛み 0.5~1.0  390 mg

☝緩和ケアセンターの医師(医療用麻薬の量をコントロール)を受診
オキシコンチン」と「オキノーム散」の量は先回と同じ。鎮痛剤として、「カロナール」に加えて「ロキソニン」「ムコスタ」を引き続き処方。
※「オキシコンチン」は、1回40mgを3錠(計120mg)1日2回
※「オキノーム散」は、1回20mgを1包と5 mgを2包(計30mg)痛む時に飲み、間隔は1時間以上空ける。

 

抗がん剤点滴治療の医師を受診
医師の説明
腫瘍マーカーの値が、先回22.9(2/6))から今回23.2(2/20)と横ばい。他に尿蛋白の値も問題無いので、抗がん剤アバスチン点滴(9回目)を行う。
・ランマーク皮下注射(7回目)も点滴治療の時に行う。4週間に1回、骨への転移による骨病変が起きるのを抑えるための新しい分子標的薬)
・先回同様、ロンサーフ錠剤55mgを1日2回、5日間連続服用(14コース目)。その後9日休み。
・先回12月に撮ったので、3月27日に造影CTを撮る。

 

☝糖尿病内科受診 昨日の血液検査結果
医師の説明
ヘモグロビンA1c(正常値5.9以下)1月前と今回も5.9と正常値の中に改善している。大変良い傾向。血圧が安定しているので、高血圧の薬アムロジンCD錠5.0mgから、2.5 mgに変更。
・肉類などのタンパク質を取るように心がけること。

 

☝消化器外科(総合的な主治医であり、外科手術を執刀)を受診
医師の説明

痛みが軽減しているのは良い傾向。3月27日の造影CTの結果説明のために、4/2に受診してください。

 

写真で記録  ~春日井教会音楽コンサート ハープ演奏と歌の共演~

2024年2月18日の午後、ハープ演奏と歌の共演のコンサートに行ってきました🥰
場所は、日本キリスト教団春日井教会(春日井市中央通2-75)
ハープ演奏:三宅百合子さん ソプラノ歌:松谷友香さん

今回、初めて間近にハープの演奏を聴きましたが、その優雅なそして繊細な音色にすっかり魅せられてしまいました。
ハープの演奏とソプラノの歌の共演は素晴らしかったです🥰

沢山演奏してくださいましたが、中でも印象に残った曲は
♬ヨナ抜き音階の曲 春の海
これは、琴と尺八が定番なんだそうですが、ハープとソプラノの歌の共演も見事でした💕

長崎の鐘 麗しの白百合 古関 裕而作曲

♬私をお使いください 〜マザーテレサの祈り〜

♬浜辺の歌のメロディーの詩篇23
この浜辺の歌は、日本の童謡曲ですが、台湾でも讃美歌として歌われているのだそうです。凄いですね!!

 

三宅百合子さんが、大きなハープの楽器について紹介してくださいました。そのハープには足元にペダルがついており、半音を上げたり下げたりすることができるそうです。両手で弦を操作しながら、同時に両足でもペダルを踏んで演奏することで、全身を使った素晴らしい演奏を披露されるのだとか。ピアノも演奏されるそうですが、三宅さんはハープの演奏に特に力を入れていらっしゃるようです。目標は、ハープの演奏を究めることなのではないでしょうか!!

 

 

体験コーナーもあり、親子で挑戦していらっしゃいました。

 

牧師先生も、ギターで演奏してくださり、子どもさんびか「キリストのへいわ」を参加者と一緒歌いました。春日井教会では、毎月第3火曜日に、賛美歌クラスがあるのだそうです。

 

日曜日の礼拝後、ハープとソプラノの演奏で過ごした時間は本当に幸せなひと時でした。音楽には癒しの力がありますね。三宅さんや松谷さんのような音楽の才能を持つ方々は、日々の練習と努力によって素晴らしい演奏が完成されるのだと思います。

松谷さんはソプラノ歌手としてだけでなく、私の友人でもありますし、がん哲学外来金城カフェのスタッフの一員でもあります。音楽の才能を持つ友人を持つことは嬉しい限りです🥰

これからも三宅さんや松谷さんの素晴らしい演奏が、たくさんの人々に楽しい時間を提供してくれることを願っています。

改めて、三宅さんと松谷さんには素敵な演奏をしていただき、心から感謝してます。大きな拍手をお送りします💕

「ホームヘルパーの経験その2:辛かったグループホームでの仕事」~10歳のマリアのつぶやきno.16~

今でも忘れられない仕事の辛い思い出があります。

ホームヘルパーの資格を取得したのは今から12年以上も前ですが、その資格を活かして介護職に就いたのはその3年後の2014年でした。最初に就いたのは、グループホームの仕事でした。母を2年ほど前に亡くしており、グループホームに入所している方々の姿が母と重なって見えたことを覚えています。

母の介護をほとんど経験していなかった私に介護の仕事が本当にできるのか不安でいっぱいでした。そんな不安を打ち明けると、正規職員の方は、「すぐに慣れるわよ。」とトイレ介助や入浴介助も丁寧に教えてくださいました。全てが初めての体験でしたが、慣れない中でもなんとかこなしていくことができたと思います。

グループホームでは正規職員が 3名、アルバイトとして私を含めて 3名の構成でした。3交代制(朝勤 4名、日勤 4名、夜勤 1名)で、各シフトに必ず職員が入っていました。3名の正規職員の介護の手順や考え方などにそれぞれ違いがあり、統一されていないように感じていました。アルバイトの人は、一緒のシフトの正規職員に従うという暗黙のルールがあったように思います。

3か月ほど過ぎ、次第に介護に慣れて自分なりに余裕が出てきた頃のことです。どういうわけか、私の介護の仕方が悪いと、特定の正規職員の方から、たびたび注意を受けるようになりました。具体的にどのような注意を受けたかは今となっては思い出せません。

そんな日々が続いたある日、夜勤明けの交代時間のミーティングの際の出来事です。その正規職員の方は、入所者さんや他の職員のいるところで、私一人を厳しく注意し、足早に帰宅していかれました。注意された内容の意味が分からず、困惑したことを覚えています。

職員の方の度重なる厳しい注意を受けていくうちに、続けていく自信がなくなっていったように思います。仕事を続けることで、かえって職員の方に迷惑をかけてしまうような気持ちが募り、結局辞めることにしました。

グループホームでの介護そのものは全く苦痛はなく、むしろ入所者さんたちと良い関係を築けていたと思っていただけに、とても心残りでした。今でもお一人お一人の様子が懐かしく思い出されます。

グループホームの仕事を辞めた後も介護の仕事を続けたいと思い、訪問介護の仕事に2年ほど携わることができました。夫の仕事の都合で九州に引っ越すまでの短い間でしたが、私にとって大きな経験となりました。

いろいろなことがあり、思い出すのもつらいような経験もありましたが、グループホーム訪問介護の体験は、現在の夫の闘病生活の介護にとても役立っていると思います。

 

 

写真で記録  ~「産業医の講習」&「ノリタケの森」 盛りだくさんの2月の連休初日~

産業医更新のための全単位取得

2月10日、夫は産業医更新のための講習を受けてきました。その講習で、必要な全単位を取得することができました🥰 

2022年12月から更新のための講習を受け始め、抗がん剤治療の苦しい時期もありましたが、諦めずに受け続け、ようやく全単位を取ることができました。よく頑張ったと思います!!

会場までの送迎担当の私は、夫が講習を受けている間、名鉄デパートの物産展「うまいものまつり」で夫の好物をゲット。たくさんの人で大にぎわいでした。

ノリタケの森」まで散歩

夫の講習は3時間もあった為、「ノリタケの森」まで散歩してきました。晴れた空が広がり、空気も澄んでいて、とても心地良かったです。🥰

明治時代に建てられた赤レンガ造りの工場跡や、春を待つ背の高い木々、2021年にオープンしたイオンモールNagoya Noritake Gardenの庭もすべてが調和して、美しい空間が広がっています。

 

 

 

イオンモールNagoya Noritake Gardenの正面玄関です。入口へのアプローチには6本の煙突が並びます。かつてのノリタケの工場があったときに使われていた煙突です。

 

 

ノリタケの森ギャラリー

この日、ノリタケの森ギャラリーでは、

如月の華 2024」と「加藤順逸 陶展」が開催されていました。

 

 

ライフスタイルショップ ノリタケスクエア名古屋

 

 

 

この鳳凰の絵は、金粉でできた作品のようです。見事ですね!!

 

連休初日、名鉄デパートで買い物したり、ノリタケの森を見学したりと、とても充実した一日を過ごすことができました。夫も目的を達成できて大満足のようです。

次回、ノリタケの森を訪れることあったら、Café grand vert(カフェ グラン ヴェール)で、夫と一緒にゆったりコーヒータイムを楽しみたいと思います。

 

近況報告 2024/2/1(木)~2/10(土)

その日の気づき等

2024年

※がん疼痛医療用麻薬「オキシコンチン(徐放性の錠剤)」と「オキノーム散(速放性の粉薬)」は同じ成分の薬。通常はオキシコンチン錠を1日2回服用しながら、突発痛が襲った際には、オキシノーム散をレスキュー投与するといった具合に使い分けます。1日の飲んだ全体の量を数値に表し、痛み具合を記録することにします。

2/1    (木)    痛み 0.5~1.5    150mg

2/2    (金)    痛み 0.5~1.5    390mg

※週一回2時間半の診察業務の仕事は、比較的痛みが少なく務めることができた。


2/3    (土)    痛み 0.5~1.5    450mg

2/4    (日)    痛み 0.5~1.5    390mg

2/5    (月)    痛み 0.5~1.5    330mg

2/6    (火)    痛み 0.5~1.5    390mg

☝緩和ケアセンターの医師(医療用麻薬の量をコントロール)を受診
オキシコンチン」と「オキノーム散」の量は先回と同じ。鎮痛剤として、「カロナール」に加えて「ロキソニン」「ムコスタ」を引き続き処方。
※「オキシコンチン」は、1回40mgを3錠(計120mg)1日2回
※「オキノーム散」は、1回20mgを1包と5 mgを2包(計30mg)痛む時に飲み、間隔は1時間以上空ける。

抗がん剤点滴治療の医師を受診
医師の説明
腫瘍マーカーの値が、先回20.0(1/23)から今回22.9(2/6)と少し上昇。他に尿蛋白の値も問題無いので、抗がん剤アバスチン点滴(8回目)を行う。
・先回同様、ロンサーフ錠剤55mgを1日2回、5日間連続服用(13コース目)。その後9日休み。
※昨日の腰痛を医師に話したところ、外語腰椎のがん細胞の神経圧迫からきている可能性もあるがわからない。経過をみましょうとのこと。

☝消化器外科(総合的な主治医であり、外科手術を執刀)を受診
医師の説明
痛みが軽減しているのは良い傾向。経過観察のために、2/20に受診してください。

2/7    (水)    痛み 0.5~1.5    450mg

2/8    (木)    痛み 0.5~1.5    360mg

2/9    (金)    痛み 0.5~1.5    420mg

※週一回2時間半の診察業務の仕事は、比較的痛みが少なく務めることができた。

2/10    (土)    痛み 0.5~1.5    360mg

産業医更新のための講習を受け、必要な全単位を取得することができた。
夜、左足の小指に強い痛みが出たが、オキノームを服用して収まった。

mariamatch.hatenablog.com

「抗がん剤治療後の驚きの一日:夫とのスーパーでの買い物」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第77回~

昨年の9月に受けた放射線療法のおかげで痛みが和らぎ、比較的体調が良い日が続いています。今年に入って3回目の通院となった先日、2週間に一回の抗がん剤点滴治療を受けてきました。

抗がん剤点滴を受けるととても疲れるので、病院からまっすぐに帰宅しベッドに横になるのが習慣でした。抗がん剤は、がん細胞を攻撃する一方で、正常な細胞にも影響を及ぼすことがあります。そのためなのか、抗がん剤治療を受けると体力が消耗し、気分もすぐれなくなります。

ところがこの日はいつもと違い、治療後に疲れが出ることもなく、夫はスーパーに立ち寄って買い物をしたいと言い出しました。抗がん剤点滴治療直後に、これだけ体力が残っているのは珍しいことです。もしかしたら、初めてのことかも知れません。

スーパーでカートを押して、好きな食材を選んでいく夫の後ろ姿を見守りながら、こんな日もあるのかと信じられない思いでした。

一見ありふれた買い出しでも、普段ベッドに横になっている夫のことを思うと、特別な光景です。しかも抗がん剤点滴の帰りですから、余計印象に残りました。大袈裟ですが、貴重な時間でした。何気ないことに喜びを発見できた気分です。

夫とのたわいもない会話

実は、夫が買い出しをすること自体、我が家ではとても珍しいことなのです。がんに罹患する前、それどころか出会った当初から、夫は、食べることには意欲的ですが、食料の買い出しにはあまり興味がありませんでした。がんに罹患してからはなおさらです。私も夫に手伝ってほしいと思ったことはなく、買い出しはすっかり私の役割になっていました。

がんに罹患する前の夫とのたわいもない会話を思い出しました。「何か一つあなたにお願いできるとしたら、いつか一緒にスーパーに買い物に行って、重い荷物も持って欲しいな。」夫は、「それくらいはできるよ、重い荷物ももちろん。」と答えてくれていました。

痛みが緩和しているとはいえ、足腰が弱っている夫に重い荷物をお願いすることは現実的ではありません。ですが、一緒にスーパーに買い物に行くことの願いは叶いました。

この日のような何気ないことにも幸せを感じられるのは、ありがたいことであり、幸いなことだと心から思います。

いつも喜んでいなさい

骨に転移した夫の直腸がんは治らないでしょう。これからがん細胞がどんなに暴れても、その時はその時だと思っています。

そんな現実を受け入れつつ、次の聖句を思います。

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。

テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5章16~18節

この聖句を心に刻んで、これからも夫と共に闘病生活を送っていきたいと思います。

次回に続きます。