10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

第24回 「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」~マイナス×マイナス=プラス~

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先日、志段味(しだみ)図書館で開催された「みんなのがん教育」講演会に、私たち夫婦も聞きに行きました。

(樋野興夫先生の記事はこちら

 

樋野興夫先生と一緒にランチ

講演前のひと時、樋野先生と主催者の皆さんと一緒にランチ会にお誘いいただきました。夫は、樋野先生と癌学会などで一緒に活動していた友人でもあります。久しぶりにお会いして楽しいひと時だったと、夫も喜んでいました。

会場の様子

会場は、この地域の方や、樋野先生を慕って他府県から来られた方で一杯でした。

主催者から、冒頭「皆さん、樋野先生の本を予習して来られましたか!?」の呼びかけに、会場が和やかな雰囲気に包まれました。

樋野先生の講演のタイトルは、「がんと向き合う心構え」です。たくさんのスライドを見せてくださり、予防よりも心構えの大切さを教えてくださいました。先生は、多くの本を執筆されています。スライドでも紹介されました。

 

夫の体験談

講演の後、「もし先生が、がんになったらどう思いますか?」と質問がありました。

その時、夫が手を挙げて「自分のことですが。」と、皆さんの前で体験談をお話しする機会となりました。

夫は、11月に講師として招待いただいています。主催者の館長からも、夫が愛知医科大学血液内科の客員教授であること、11月の講師であることが紹介されました。夫にとっては、その講演前の練習にもなったのでないでしょうか?

夫は、長年悪性リンパ腫の基礎研究に従事した医師であり、直腸がんの患者でもあり、2度の再発を経験しています。

 

「がんになった時は落ち込むというより、がん患者の気持ちが理解でき、とても良いチャンスをもらったと思った。また、残された時間を終活にあて妻に伝えるべきことを伝えることができたと思う。

抗がん剤治療を受け、その効果を自分の体で実感している。今はとてもがん治療は進歩していて、自分の体で実験しているような気持ちを持っている。

半年後の予定はわからないので、11月にこの会場で講演できないときはよろしくお願いします。」

 

この会の主催者の館長から、「11月の講演を目標に、またさらに来年の講演もお願いしたい気持ちです。」と励ましの言葉もいただきました。目標は生きる力にもなります。

妻としても、夫の「半年後の予定はわからない」の気持ちも良くわかります。今は治療の効果があり痛みも和らいでいますが、これがいつまで続くのか分かりません。

聖書に

「あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。~」マタイ6:34

とあります。いつまで続くかとの心配は、明日にお任せしていきたいと思います。

 

夫は、帰宅してから「今日の講演会はとても良かった!」と、終始笑顔でした。長時間の外出でしたが、痛みを感じることなく充実した日になったようです。妻としては途中痛みが強くなったらと内心ヒヤヒヤしていたのですが、取り越し苦労に終わりホッとしました。

 ~マイナス×マイナス=プラス~

今回の樋野先生の講演で一番心に残った「言葉の処方箋」です。

自分だけではないことに気づく

苦しいと思っている人でも、自分より苦しい体験の人がいることを知ると、「この人のために自分にも何かできるのではないか」という意識が芽生えます。マイナス思考からプラス思考に変化するわけです。(「がん細胞から学んだ生き方」)

いざ自分自身ががんに罹患した時こそ、この言葉の処方箋が生きたものになると思います。

 

次回に続きます。