10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

第6回 「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」~備えあれば憂いなし~

ブログランキング・にほんブログ村へ

~備えあれば憂いなし~

第1回目は、我が家の激動の2020年を ~駆け足で振り返る夫の闘病生活~ のタイトルで、直腸がん罹患から再発、そして激しい痛みに襲われるまでを書きました。今回は「備えあれば憂いなし」とことわざにもありますが、もしもの時に備えて夫と一緒に「公正証書遺言」を作成したことについて書きます。

 

夫は60歳を迎えるあたりから、しきりに「遺言書」を書くと言うようになりました。どうも、話を総合すると2002年の『北の国から 2002遺言』(原作・脚本は倉本聰。主演は田中邦衛)のドラマからの発想のような気がします。私も観ましたが主役の田中邦衛の演技は実に素晴らしく名作です。田中邦衛が遺言書を書こうとして思いが溢れ、遺言書に顔をうずめて涙にくれるラストシーンに私も泣けました。夫はこの作品が大好きでDVDを購入して繰り返し観ていました。

 

ある時、遺言書の書き方やエンディングノートの書き方の本を複数AMAZONで購入して、「60歳になれば、がん年齢、それに備えてなんでも早め早めにしておくと良い。僕はもう読んだから、この本を読んでおくように。」と、私に言うのです。まさかそれが現実になるとは、その当時は夢にも思ってもいませんでした。それが夫のがん罹患によって、急に現実のものとなり夫の勧めもあって身を入れて読むことになりました。

 

それらの本には、たくさんの情報がぎっしり書かれてありました。しかもそろえる必要書類がたくさんあり、めまいがしそうでした。その中でも一番分かり易かったのは、「プロが教える!失敗しない相続・贈与のすべて コスミック出版」の本です。

 

要は財産があってもなくなくても、残された家族が困らないように準備しておくことが必要だと知りました。法的に効力のある「公正証書遺言」を作成することが肝心であること、また家族に内容をあらかじめ知らせておくことも重要であることが分かりました。

 

とはいっても、私では手に負えない部分もあることも判明しました。夫と相談して弁護士の力も借りることにしました。知り合いに弁護士さんを紹介していただいて、2回相談に出向いて「公正証書遺言」の原稿を完成することができました。

 

退院して落ち着いた頃を見計らって、一緒に「公証役場」まで出かけ無事完成することができました。驚いたことに、「公正証書遺言」には有効期限というものがなく更新しなければ何年たっても効力が持続するのだそうです。この「公正証書遺言」作成は呑気ものの私にとってちょうどよい社会勉強にもなり、良い刺激にもなりました。

 

次回に続きます。