10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「ひろめ市場へ」&「老人は夢を見、若者は幻を見る」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第29回~

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ひろめ市場へ

もうすぐ夫の直腸がんの手術から3年目を迎えます。この3年間は、まさに怒涛の日々でした。このところ穏やかな日々が過ぎていきます。嵐が過ぎ去り凪の時が来たように、夫の痛みが和らいでいるのは嬉しいものです。

夫は、常々自分の体で実験をしているようだと言っていますが、思っていた以上の治療の効果に本人も驚いているようです。その勢いで、高知県の「ひろめ市場」に行きたいと言い出しました。

地図で調べてみると、「ひろめ市場」まで電車とバスで約450kmの距離、約6時間以上かります。足腰が弱くなっているので、かなり厳しいのではないかと心配でもあります。

「ひろめ市場」のことは、旅番組でたびたび紹介されているそうです。それを見るたびに、いつか行ってみたいと夢を膨らませているとのことです。夫は海産物が大好物で、高知名物の「カツオのたたき」や、「さわらのお刺身」を楽しみにしています。

夫の頭の中では、すでに往路の計画が出来上がっているそうで、とても嬉しそうに話してくれます。

途中「姫路駅」で下車して、日本一有名な「姫路駅 まねきのえきそば」を食べ、次に地下街に行って「イカ焼きとタコ焼き」を食べる。

その後、在来線で岡山経由「高知駅」で下車。周辺で宿を予約しておく。

という、かなり具体的なプランです。このプランが実現したら、どんなに素晴らしい思い出になることでしょう。

 

夫の「持続力と底力」

夫には、びっくりするような「持続力と底力」があります。引退後移り住んだ高崎市から、九州の福岡県に引っ越した時は、1,100kmを車で移動しました。しかも夫一人で、全行程を15時間で運転しています。もちろん途中短時間の仮眠をとりましたが、本人は余裕ある表情をしていました。

さらに、九州から名古屋に引っ越した時も同様、夫一人で全行程を運転してきました。750 km10時間連続運転です。

「信じられない!」と皆さんから言われました。当時はがんに罹患する前でもあり、今と状況はかなり違いますが、「持続力と底力」は今もあると思います。

昨日、このところ収まっていた「少し強めの痛み」があり、心配になりました。医療用麻薬をいつもより多めに飲んで、症状は収まりましたが、がん細胞が再び大きくなっているかもしれません。

5月の末に造影CTとMRI検査を受けます。その結果を待って「ひろめ市場」に行くかどうかを慎重に決めようと、夫と話しています。美味しいものを食べたいという意欲と底力に期待したと思います。

 

老人は夢を見、若者は幻を見る

私は、歳を重ねた経験豊かな人たちという意味で「老人」という言葉が好きです。

聖書には、

老人は夢を見、若者は幻を見る  (ヨエル書 3:1)

とあります。

一般的には、夢を見るのは若者で、老人は過ぎ去った日々を懐かしむような感じがします。聖書には「老人」とありますが、「高齢者」と置き換え読んでも良いと思います。

私も初老の域に達していますが、「老人が夢を見る」とあるように、いつまでも夢を持ち続けていきたいものです。

今回の「ひろめ市場」の旅も一つの夢です。この夢を叶えられるよう、神様に期待しながら祈っていきたいと思います。

 

次回に続きます。