10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

第2回「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」 ~体の異変から手術まで~

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~体の異変から手術まで~         

私はいたって呑気者で「癌」を「がん」と表記しているけれど、ひらがなの「がん」の方が優しい感じになるからかな? くらいの狭い関心事であり、「がん」は自分には遠い病気だと思っていました。それが夫のがん罹患によって、身近なものになり世界観がぐんと広がることになりました。

 

直腸がんの手術を受ける1年ほど前の2019年の夏ごろ、夫に「血便や下血」がでる時がありました。「たられば」が許さるなら、あの時検査をきちんと受けていれば初期のがんで済んだかもしれません。

 

夫は単なる「痔」だから大丈夫と、特に医療機関を受診することもなく過ぎていったと記憶しています。あれから、仕事が忙しくなったことや引越もあり、バタバタしているのをいいことに私もすっかり忘れていました。

 

定年退職を機に住んでいた九州から名古屋に戻り、新しい生活が始まった2020年6月ごろ、夫が今までにない体に違和感を覚え、近くのクリニックを受診しました。その医師から、「間違いなく直腸がんでしょう、大学病院を紹介しますからすぐに行ってください。」と言われ早速大学病院の消化器外科を受診。それから怒涛のような検査を受け、あっという間に直腸がんⅢaの診断が下され7月に手術、まるで新幹線のようなスピードでした。体に違和感を覚えてから、僅か1月でストーマの新しい生活が始まったのです。

 

「血便や下血」の頃から、がん細胞はじわりじわり勢力を増していたのでしょう。あの時検査を受けていればとも思いますが、そうなれば夫の仕事も中途半端になり、定年退職後に始めた趣味もあきらめざるを得なかったでしょう。すべてを滞りなく済ませて、名古屋に帰ってくることができなかったかもしれません。

聖書に

「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」(コヘレト3:1)

とありますが、この言葉が妙にしっくりくるのです。

2020年は我が家にとって激動の年になりました。

 

 

次回に続きます。