10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「ホスピス外来の受診」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第88回~

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先日、B病院ホスピス外来を受診してきました。夫が通院しているA大学病院から紹介していただいた病院です。主治医の紹介状と画像診断のデータを持参しました。

鮮やかな緑の木々に囲まれた美しい建物です。中に入ると、広々とした空間が広がっており、穏やかな雰囲気が感じられました。

緩和ケア医の先生と看護師さんお二人が対応してくださいました。絵画が飾られ、大きなソファーがある多目的室に通していただき、落ち着いた雰囲気の中でお話を伺うことができました。

現在、夫のがん細胞は仙骨と第五腰椎に転移しているのものの、抗がん剤治療や医療用麻薬のお陰で小康状態が続いています。すぐにホスピスにお世話になることはありません。

今のうちに、ホスピスについて知っておきたいという思いで今回受診しました。お世話になる時が来るかもしれません。

また、カルテを作成していただけるので、必要になった場合、慌てることなくスムーズに転院できると思います。早めの準備は大切だと夫も言います。

緩和ケアの先生は、いつか入院する日がくるかもしれない見学者としてお話をしてくださいました。

ホスピス入院のタイミング

夫も私も一番気がかりだったことは、どのようなタイミングで入院できるのかということです。真っ先に伺ったところ、「それは患者さんの希望する時です。」という意外な答えが返ってきました。

先生によると、まだ治療が望めるほどお元気でも早めに入院してして長く滞在する患者さんもいれば、かなり衰弱した状態で入院して数日後に亡くなる方もいるとのことでした。

こちらのB病院ホスピス(病床数:20床)では、入院期間が長くなったとしても他の病院に転院を勧めることなないそうです。入院できる期間は2-3か月という制限があると思っていましたが、入院期間の制限は特になく最期までケアをしてくださるこという事でした。

平均すると40日ほどの入院期間とのことです。年間150名の患者さんが退院されるそうです。この場合、退院とは亡くなるという意味です。

ホスピスの役割

ホスピスでは、抗がん剤治療、延命治療といった「積極的な治療」は行われません。痛みの緩和のみになります。人生の最期を快適に過ごすためのケアを提供してくれます。

夫は、できるだけ長く自宅で過ごしたいと希望しています。本人の希望に寄り添いながら、自宅でケアするのが難しくなるタイミングを注意深く冷静に判断しなければならないと思います。

また、入院したいと希望しても、すぐには対応できない場合があるそうです。早めに連絡をして入院予約をとる必要があるようです。

ホスピス内の見学

看護師さんが、ホスピス内の施設を案内してくださいました。

個室には、ベッドやソファーがゆったりと設置されていました。それぞれ、移動は可能だそうです。どの部屋からもお庭が見えて、光が射しまれる工夫がされています。

また、広い廊下やストッパーの手作りのぬいぐるみ(写真参照)も印象的でした。

お部屋(すべて個室)

広い廊下

ストッパーのぬいぐるみ(手作り)

入浴用ストレッチャー付きの浴室

2階ラウンジ

2階ラウンジでは、ミニコンサートが行われたり、パッチワークや絵手紙の教室などが開かれます。机の上に置かれたお花は、ボランティアの方が育てたお庭の花が生けられているとのことです。

今回、B病院ホスピス外来を受診でき、夫も私も安心しました。こちらのホスピスは、心地よい雰囲気が漂い、美しい花や装飾品が落ち着きを感じさせてくれます。

夫は、がん患者が経験するホスピスを実際に見学できたことで具体的なイメージが沸いたと言います。ホスピス病棟の中に入ったのは初めてだそうです。

夫は、常々「自分の体で実験しているように感じる。」と、基礎医学に長年従事してきた科学者らしい独特の考え方を語ります。

夫の闘病生活がこれからどのようになっていくかは分かりませんが、自分自身の最期の死も、俯瞰的に冷静に見つめているようです。

夫の姿勢を心強く思いつつ、闘病生活を伴走していきたいと思います。

 

次回に続きます。

 

 

B病院ホスピス外来受診の後に立ち寄った「森の響カフェ」の記事は(こちら