10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「夫の講演 一周年記念イベントの思い出」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第57回~

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先日、夫と一緒に所属している「がん哲学外来金城カフェ」のスタッフミーティングがありました。来年2024年1月28日に開催予定の二周年記念イベントに関する打ち合わせです。

金城カフェでは、少人数のグループに別れた対話形式の会を月1回行う他、1年ごとの節目に、講演会のイベントを開催しています。今回の打ち合わせでは、次の節目である二周年記念イベントの話し合いをしました。

節目の記念イベントは、2年前の「がん哲学外来金城カフェ」開設記念の際、樋野興夫先生をお呼びしての講演会を行いました。

1年前は、夫が講演を務めました。

当時は、手術後2年半が経過して抗がん剤治療を受けていた時期です。強い痛みが襲ってくることはないまでも、治療の副作用もあり、起き上がる気力がない時もしばしばありました。血圧が高く、急なふらつきもあったので、果たして講演の日に演台に立つことができるかと、ハラハラしながらの日々でした。一方夫は、「必ず講演には行くので大丈夫、這ってでも行くよ。」と前向きに準備していました。

夫は、現役時代、海外講演も含めて1年に2~3回ほど、専門分野の悪性リンパ腫の講演を行っていました。人前で話すことにはまったく抵抗のない夫でしたが、それまでの講演は主に医師を対象とした講演です。対してがん哲学外来の講演は、一般向けの内容になります。今までの講演資料を掘り起こしつつ、皆さんに伝わるよう、試行錯誤しながら時間をかけて組み立ていました。

タイトルは「がんと共に生きる」。皆さんにどのようにお話ししたら良いかを、ベットに横になっている時も頭の中でシュミレーションしていたようです。現役を退いた上、直腸がんにも罹患してから、まさか再び講演の機会があるとは思ってもいなかったと言っていました。

一周年記念イベント講演当日の様子

 

※一周年記念ベントの様子 


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体調も良く講演の当日を迎えることができただけでも感謝の気持ちで一杯でした。それでも講演している間、途中倒れてしまわないかとドキドキしていたことを覚えています。講演を終えた本人は、落ち着いて最後まで講演できたことに満足していました。現役時代の経験があったからだと思います。

しばらくぶりで、夫が講演するということで、現役時代にご一緒していた方々にも連絡を差し上げました。「瀬戸先生の講演がまた聴けるとは思っていなかったので嬉しかった。」「現役時代の話し方と同じで懐かしかった。」との感想もいただき、よい近況報告にもなった講演でした。

今まで、父親の講演を聴いたことがない娘家族と息子も、講演に駆け付けてくれました。娘も息子も、父親が直腸がんに罹患したことで、一緒に過ごせる時間も限られてきていることを感じています。子供たちにとって、父親の思い出を心に刻むことができた講演だったと思います。

 

娘と当時2歳になったばかりの孫の写真です。3階の親子室から礼拝堂の講演を聴いています。

 

写真の中央に立っているのが息子です。講演後のパソコンの収納の手伝いをしました。

 

自宅に帰ってから、夫は「今日の講演で、今まで培った経験と、がんに罹患して体験した気持ちも伝えることができ、人生の集大成のようなものかな。」と感慨深く振り返っていました。夫ならではの思いがこもった言葉だと思います。

二周年記念イベントに向けて

来年2024年1月28日に開催予定の二周年記念イベントには、夫は座長として参加の予定です。樋野興夫先生の講演後の質疑応答の司会役を務めることになっています。次の目標が与えらいることは、感謝なことです。

体調良く迎えることができるようにと祈り願っています。

今現在、第五腰椎に転移したがん細胞からくる痛みが、放射線治療によって緩和されています。来年の1月まで続いてくれることを願っていますが、転移が広がり新たな痛みがやってきているかもしれません。夫は、「その時はその時、痛みがあってもオキノーム散(医療用麻薬)を飲めばなんとかなると思うよ。」と、いたってのんびり構えているように見えます。

伴走者の私の方が、あれやこれと心配が先に立ってしまいます。

あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。(1ペテロ5:7)

この聖句に励まされます。主に委ねていく以外にないという心境です。

 

次回に続きます。