10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

第12回 「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」~~夫のがん細胞「不良息子」~~

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~~夫のがん細胞「不良息子」~~

X線放射線治療」と「温熱療法」が始まって、ちょうど半分となった日、放射線治療医師の診察がありました。この治療は、完治することを目指しているのではなく「痛み」をいかに抑えるかの治療です。

  • 医師からは以下のような説明がありました。
    ・これまでの治療は順調に来ている
    ・残っている治療は4回の放射線療法及び2回の温熱療法
    ・痛みを取るための治療として抗がん剤点滴治療を並行
    ・今現在、痛みが軽減している理由は、鎮痛剤を増やしたことによるのか、治療の効果なのかはわからない
    ・現在の治療の効果は3か月後ぐらいに造影CTで確認する

夫は、懸念していた小腸への悪影響もなく順調に治療が進んでいること、今後の治療方針が示されたことで安堵しているようです。また、段階を踏んで設計図をその都度検討しながら丁寧に慎重に行われているので、放射線医師をとても信頼しています。

 

この治療は、機器がいくら優れていても、それを操作する人の技術力と誠意がなければ、生身の体は壊れてしまうということなのだと思います。

 

この日の夜のことです。夫がリラックスした表情で、久しぶりにウイスキーを楽しみながら、今の治療が終わったら、温泉にでも行って美味しいものを食べながらゆっくりしたいと語ってくれました。得意な鼻歌とダンスも披露してくれました。

 

わたしの愛読書の中に、がん哲学外来の創始者、樋野興夫先生の本があります。その中に、

『がん細胞も私たちの一部である』『がんは突然グレてしまった「不良息子」のようなもの』

というのがあります。夫のがん治療からもまさにその通りだと納得できます。

 

『がん細胞から学んだ生き方』ヘルス出版発行

『聖書とがん』イーグレープ発行 

から一部を引用します。

 

がん細胞はとても不思議な存在で、細胞分裂を繰り返すうちに、なぜかコピーミスが起こり、それが「正常細胞のがん化」であり、身内の正常細胞ががん細胞に変異してしまいます。

 

のんびり屋の「お坊ちゃん」である正常細胞のミスに、たくましい「がん細胞というガキ大将」が付け込んでいるような、そんな状況でしょうか。もともといい子だったのに、突然悪いグループに入ってしまった「不良息子」とも言えます。

 

がん細胞をなくすことができない状況に関してはがん細胞との共存を目指すことになります。不良息子の更生を忍耐強く見守るように、がん細胞の状況に一喜一憂しないで共存していくことを肝に銘じます。がん細胞も「不良息子」も客観的な視点を持つことから始めてみてはどうでしょうか。”

 

樋野興夫先生の「不良息子」という表現が、今の夫のがん細胞にぴったり重なります。お陰で、私も客観的に別の角度から冷静に見つめることができます。これからも「不良息子」のがん細胞との付き合いが続きます。

 

聖書には、「あなたの重荷を主にゆだねよ 主はあなたを支えてくださる」詩編55:23とあります。

 

これから、どのような「不良息子」のがん細胞との付き合いが続くのか計り知れませんが、主にゆだねて夫に寄り添っていきたいと思います。

 

3月17日現在「X線放射線治療」と「温熱療法」が始まって、17日経過です。あと残すところ3回の「X線放射線治療」とラスト1回の「温熱療法」になりました。土日を除く平日、毎日の病院通いもあと少しです。

 

次回に続きます。