10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「闘病中の嬉しい出来事」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第63回~

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ヘモグロビンA1cの値が「6.5」と減少

夫の直腸がんが発覚してから3年半になります。抗がん剤治療の副作用もあるとは言え、痛みが和らいでいてる状態が続いています。強い痛みからの解放は何よりうれしいことです。

先日、2週間に一回の通院の日があり5名の医師の診察がありました。先生方は、「治療に反応しにくい直腸がんですが、治療に良く反応しているようです。」と喜んでくださいました。夫も、思っていた以上の治療効果に胸をなでおろしています。

本人は、直腸がんに罹患したことが分かった時、1年後には地上にいないだろうと覚悟したそうです。

今回、糖尿病内科の医師の診察もあり、嬉しいことにヘモグロビンA1cの値(正常値:4.6〜6.2)が、6.5まで下がったことが分かりました。2023年3月には、8.6と上昇し、医師から「どんな方法でもいいですから、ヘモグロビンA1cを下げてください。この値が下がらないと効果のある薬がありません。」と厳重注意を受けていました。

そんな中で、がん疼痛によって食欲が減退し、体重が減少して糖尿病が改善しました。この状態を維持しながら、少しでも痛みのない闘病生活が送れるようと願っています。

嬉しいお見舞い「さよならの握手」

先日、現役時代に職場でお世話になった先生方が、遠くは札幌と仙台から、そして名古屋市内からお見舞いに来てくださいました。その日は、抗がん剤治療の副作用も収まり体調の良い時でもあり、心温まる時間になり、とても励まされたようです。お礼と共に、夫らしいエッセイを添えてメールを差し上げていました。

今回はその内容エッセイをご紹介します。

 

さよならの握手

 握手は会った時に相手の手を握り 親密度を表すために使う方法である。しかし、握手は会った時ばかりではないことを知った。 先日 自分と共に働いたことがある人たちがわが家を訪ねてくれた。

 私自身が直腸がんを患っており2度の再発を経て 現在も治療中であるため、お見舞いに来てくれたのだ。 色々と昔話をし 現在の医学の進展を教えてもらった。あっという間に時が過ぎ、 1時間半ぐらい経った時にもう帰るということになった。その帰る時の挨拶で M先生が手を強く握ってじゃあ 頑張ってくださいと握手した。 それで H先生もやはり握手して、頑張ってくださいと言って帰って行った。

ああっ、これは さよならの握手 なのだと思った。 頑張ってくださいと言っても、私たちはそれで治るというような考えを持っていない。 ただ見舞いに来て話をし、時間を共に過ごすということがとても貴重であり、 また 励ましの意味も込めて握手という方法をとるのだと思った。 そうか! 握手にはさよならの意味があるのか そのように思った1日だった。私自身、Stanが亡くなる1年くらい前に、ボストン郊外の自宅を訪ね、その家から帰るときに、また来るからと言って、Stanと抱き合ったことがある。

私達のさようならの握手は20年の時を超えたデジャヴュ(※1)なのだ。

【注釈】

デジャヴュ(※1) 既視感(きしかん)は、実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象である。フランス語: デジャヴュ、フランス語由来の英語 :デジャヴ、デジャブ、デジャビュデジャビュー、デジャヴー、デジャヴューなどとも呼ばれる。