10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

「忍耐の通院の日、がまんの待ち時間」~「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」第48回~

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先日、2週間に一回の通院の日がありました。来週から、いよいよ放射線療法と温熱療法が始まります。

この日の予約は、3名の医師の診察がありました。その他、放射線照射の位置に、特殊なマジックで皮膚に直接書いたマークの補強です。マークが消えかかっている場合はそれに上書きするとのことです。

この日は特に混んでいました。そのため待ち時間が長く、全ての予定を終了するのになんと6時間もかかりました。そんな忍耐の通院の日となりましたが、窓から見える青い空と白い雲に慰められました。通院している大学病院は窓がとても大きく、大空をゆったりと眺められます。

当日の行程

1)緩和ケアセンターの医師を受診(医療用麻薬の量をコントロール
2)抗がん剤点滴治療の医師を受診
3)放射線科を受診し、マークの補強
4)ランマーク皮下注射(がんの骨転移による骨病変の予防)
5)消化器外科(総合的な主治医。外科手術を執刀)を受診 

 

これだけの予約は、「NAVIT(ナビット)」という連絡用携帯端末がないと混乱します。診察状況や診察呼び出し、医療費計算通知等の情報も文字や振動で届くので、とても助かります。尚、この日はリニアック(温熱療法)はありませんでした。

この日の詳しい内容は近況報告の8/29(火)に書きました(こちら

がまんの待ち時間

今回のそれぞれの診察自体は、短い時間で終了しました。とはいえ、待ち時間がとても長かったと思います。非常に混んでおり、予約なしの当日枠で来られている患者さんが多かったかもしれません。特に4)ランマーク皮下注射の待ち時間は1時間ほどあったように思います。

待っている間は、スマホが大活躍します。院内には無料Wi-Fiがあるので大助かりです。

夫は、長時間車椅子に座っていると、左足の痛みが増したり、お尻が痛くなったりします。早く帰って横になりたいと言いつつも良く耐えた夫は、本当に我慢強いと思います。

いつもは車椅子に座ったまま待つのですが、この日は次の写真ように椅子に座る方が楽な待ち時間もありました。次回からは、お借りした車椅子に座るためのクッションを忘れないで持参したいと思います。

私は、長い待ち時間に、「ふー」とため息が出てしまう時もしばしばあります。夫はそのたびに、「申し訳ない、こうしてがん治療に専念できるのは、あなたあってのこと。我慢して付き合ってくれてありがとう。」と言ってくれます。夫の気持ちが痛い程伝わってきます。

長い待ち時間の間に、夫はがん治療や痛みについて自分の気持ちを話してくれます。

「痛みが強いのはたまらないが、痛みを感じるということは、それだけがん細胞に抵抗しているということでもあり、免疫力があるということでもある。末期がんを体験している実感がある。この大学病院で、集学的治療を受けられるので、待ち時間があっても、複数の病院を回るよりずっと楽。医師たちが一番良い治療を考えてくれているのだから、有難い。」

一番つらいのは本人ですが、がんの伴走者もなかなかしんどいものがあります。病院の皆様への心からの感謝、そして私のことも気遣ってくれる夫の姿勢に、私自身励まされています。

車椅子の操作も、二人の呼吸があってきたように感じています。夫は、「今の後ろ向きのターンは、スムーズだったね。」と、常に感じたことを口に出してくれます。

内なる人は日々新しくされる

聖句に、

「外なる人は衰えても内なる人は日々新しくされる。」(第二コリント4:16)

とあります。

次の写真は、当日の病院3階からの風景です。

夫の体が弱くなっていくのは、辛いことです。それでも、内なるものが新たに強められていくことを実感しています。夫は、私に対する愛情が深くなったと言ってくれます。

夫が仕事の現役時代には、聞いたことがない言葉です。直腸がんに罹患して、がんと向き合う日々が続く中で、夫婦の絆が強められているのかもしれません。有難いことです。

来週から始まる放射線治療と温熱療法の効果は未知数ですが、痛みが少しでも和らぐことを期待したいと思います。

 

次回に続きます。