10歳のマリアのブログ

~~直腸がんで抗がん剤治療中の夫に寄り添う妻の気づき~~

第16回 「夫の直腸がん闘病生活と寄り添う妻(10歳のマリア)」~愛犬の天寿がん~、~今日の御言葉~

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~愛犬の天寿がん~

満開の桜をみると、2011年10月になくなった我が家の愛犬”さくら”を思い出します。

”さくら”が生きていた頃は、家族で満開の桜を見に平和公園に出かけるのが恒例行事でした。とても懐かしい思い出です。

※左側)2010年3月 16歳の”さくら” 平和公園にて  

※右側)2023年 03/27撮影 平和公園の桜

”さくら”との出会い

※家の中に犬小屋とゲージを設置

“さくら”は雑種犬で30年前に我が家の家族になったのですが、電柱に「子犬差し上げます」のチラシを見つけたのが縁です。当時、娘9歳(小学校3年生)、息子6歳(年長)でした。”さくら”の名前は、夫が大好きな映画「男はつらいよ」の寅さんの妹の”さくら”から名付けました。子供たちは”さくら”と一緒に成長したと言えます。

最初は、庭で飼う予定でしたが、一晩泣き続けられやむなく家の中で一緒に暮らすことになったのですが、そのことがグンと家族との絆を深めることになりました。とても可愛らしく、和やかな雰囲気を醸し出す”さくら”の存在は大きかったです。

※左側)新聞の上にある「おやつ」を我慢している写真、「よし」の合図を待っているところ

※右側)玄関に飾ってある 3歳ころの写真 記念館で撮影

晩年、17歳になった”さくら”を定期健診に連れて行った時のことです。お腹をもって抱き上げた時とても痛がり暴れだしました。獣医師が触診して「大きな腫瘍がある可能性があるのでエコーで診てみましょう」と言われました。

高齢でもありそこまでしなくてもいいですと断ったのですが、なんと「無料でいいですから診させてください」と言われ、エコー検査したところ、大人のこぶし大の大きな腫瘍が見つかりました。獣医師から、手術しますか? と尋ねられたのですが、さすがにそこまでは望みませんでした。家族皆賛成してくれました。

今思えば、あれが、樋野先生のおっしゃる「天寿がん」だったのだと思います。犬も長生きになりましたから、当然「がん」に罹患する犬も多くなったのではと思います。「天寿がん」とは、完治までとは行かなくても、天寿を全うするまでがん細胞と共存しながら天寿を全うするこということです。

獣医師の診断後、できるだけ”さくら”が穏やかに過ごせるように、柔らかいお肉を食べさせてやり、どこで失敗しても良いように”さくら”用のペットシーツを部屋中に敷いてやりました。1月後には、寝たきりとなり2011年10月2日の早朝、静かに息を引き取りました。介護してから最期まで穏やかな時間が流れました。

”さくら”がなくなってから、お世話になった獣医病院の院長宛にご報告とお礼のメールを差し上げました。書きながらぽろぽろ涙がこぼれたことを思い出します。

部屋中に敷いてあったペットシーツを片付け掃除して”さくら”のリードや、エサ入れ、よく遊んだおもちゃを一緒に飾りお別れの準備をしていた時に、驚いたことにメールを差し上げた獣医病院の院長からお花が届きました。”さくら”は、獣医病院が大の苦手でいつも大暴れしていたのですが、本当に丁寧に診てくださった先生でした。写真の左側のお花です。

私たち家族は、”さくら”とともに過ごせたことにとても大きな喜びと感謝の気持ちで一杯です。その場にいてくれるだけで家族は癒され和やかに過ごせました。

樋野先生は、講演で良く「チャウチャウ犬」や「犬と猫」、「パンダ」などの可愛らしい動物のスライドを見せてくださいます。樋野先生の言葉の処方箋の中に「寄り添う心は言葉を超える」があります。

まさに、愛犬”さくら”は、私たち家族に言葉以上の慰めや喜びをもたらしてくれました。

~今日の御言葉~

聖書に「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」

(ローマ 12:15)

とあります。

樋野先生の「寄り添う心は言葉を超える」と通じるものがあると思います。夫の痛みを私が代わってあげることはでいないにしても、少しでも和らぐように寄り添っていければと思っています。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」これは、私自身の課題でもあります。

 

次回に続きます。